鈴木屋利兵衛(会津若松市)概要: 鈴木屋利兵衛(福島県会津若松市大町一丁目)は江戸時代中期の安永年間(1772〜1780年)に創業したとされる老舗で鶴ヶ城(会津若松城)の城下町の中でも街道が交差する一之町通の大町四辻付近にあることからかなりの豪商だった事が想像されます。
現在の建物は江戸時代後期に建てられた、土蔵2階建て、切妻、平入り、瓦葺きの建物で、1階正面は白漆喰仕上げ、腰壁はなまこ壁、その他は黒漆喰で仕上げられています。当時は黒漆喰での仕上げには高い技術と多くの時間が費やされた事から贅沢品とされ、この建物が格式が高い事がわかります。
建物の左端には煉瓦造りの高い防火壁が建てられ、「うだつ」ような機能をもったていたようです。「うだつ」は建物の2階の袖部分に張り出されたものが多くこの建物の特徴の1つでもあります。江戸時代末期に発生した戊辰戦争(会津戦争)時には新政府軍の屯所となり大黒柱には刀傷が付いています。
鈴木屋利兵衛の建物は江戸時代後期に建てられた町屋建築の遺構で景観的にも優れていることから平成10年(1998)に会津若松市歴史的景観指定建造物に指定されています。
鈴木屋利兵衛:上空画像
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