田村市(歴史)概要: 田村市の歴史は坂上田村麻呂の伝説に満ちています。前身の市町村名である船引町の名も坂上田村麻呂が大滝丸との戦いで傷を負った家臣を船に乗せて引いたという故事から引用されたそうです。
国指定重要文化財に指定されている堂山王子神社(田村市船引町門沢)をはじめ大鏑矢神社(田村市船引町東部台)、明石神社(田村市船引町堀越)などは坂上田村麻呂が戦勝祈願したという由来をもつ古社でその後も周辺住民や歴代領主からの崇敬の対象となり、鐙摺石桜、五十人山なども神聖視されています。
逆に敵とみなされた大滝丸や鬼五郎、幡五郎も親しまれ、俘囚長だった安倍貞任を祀る安倍文殊堂も信仰の対象となっています。これは少なからず後の三春藩主秋田氏の祖が安倍貞任とされることが影響しているのかも知れません。
中世に入ると田村市を含む周辺一帯を治めた田村氏も坂上田村麻呂を祖にする名族とされ戦国末期の天正18年(1590)に行われた奥州仕置きまでは三春城を拠点として田村郡中心に安積郡や岩瀬郡の一部も支配下に入れ、9万石の大名として君臨していました。
田村氏が改易されると蒲生氏、上杉氏など短期間に領主が代わり、正保2(1645)年に秋田俊季が5万5千石で三春藩主になるとようやく安定した領国経営がなされ明治維新に至っています。
又、田村市北部を通る旧磐城街道には3mを越える3体のお人形様が安置され民俗学上大変興味深いものとなっています。お人形様は人形道祖神の一種として福島県内広域でみられたそうですが現在ではほとんど継承されておらず貴重な存在となっています。
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