法用寺

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概要・歴史・観光・見所

法用寺(雀林観音・会津美里町)概要: 雷雲山妙行院法用寺は福島県大沼郡法用寺(会津美里町)会津美里町雀林字三番山下に境内を構えている天台宗の寺院です。法用寺の創建は奈良時代の養老4年(720)に徳道和尚が開山し、大同3年(808)に徳一大師が再建したのが始まりと伝えられています。伝承によると、徳一大師が法用寺再建に尽力していた際、ある時、虎の尾桜の下で眠りこけると霊夢に弁財天の化身が立ち、目覚めると石があったので弁天石と名付けたとされ、抱きつくと安産、子授けに御利益があるとして信仰されました。

その後は嵯峨天皇の祈願所になるなど会津地方の天台宗の中心的立場の古刹として大きな影響力を持ち、鎌倉時代には江川常俊(江川長者)が子宝祈願を行い、江川長者伝説の舞台にもなっています。南北朝時代の観応3年(1352)、当時の関東管領である吉良貞家が法用寺別当職に葦名禅師御房を指名している事から、会津地方の領主である芦名氏(葦名氏)から篤く庇護されていた事が窺えます。

現在法用寺に残っている建築も歴史がある古いものが多く境内には古社の雰囲気に満ちています。法用寺本堂(観音堂)は明和5年(1768)に造営されたもので、木造平屋建て、宝形造、銅板葺、桁行5間、梁間5間、正面1間向拝付、外壁は真壁造り板張り、正面花頭窓付、向拝の木鼻には龍と獅子、欄間には龍の精緻な彫刻が施されています。

内部の内陣には鎌倉時代の正和3年(1314)に制作された厨子(三間厨子、寄棟造、板葺、国指定重要文化財)と仏壇が設置され本尊である十一面観音像が安置されています。

法用寺本堂(観音堂)は江戸時代中期の御堂建築の遺構で観音堂としては福島県最大規模を誇るものとして貴重である事から平成20年(2008)に福島県指定重要文化財に指定されています。

法用寺仁王門は室町時代に造営されたもので、寄棟、銅板葺、単層門、三間一戸、桁行3間、張間2間、八脚単層門、外壁は真壁造り板張り、往時は仁王像(金剛力士立像-)が安置されていたものの現在は本堂(観音堂)に遷されています。

法用寺三重塔は江戸時代中期の安永9年(1780)に造営されたもので三層宝形造、銅板葺、桁行3間、梁間3間、高さ約19m、福島県内に残る数少ない三重塔の遺構(隠津島神社・法用寺・高蔵寺)として貴重な事から福島県指定文化財に指定されています。

会津三十三観音霊場第29番札所(札所本尊:十一面観音(雀林観音)・御詠歌:巡り来て 西を遥かに眺むれば 雨露繁き古方の沼)。山号:雷雲山。院号:妙行院。寺号:法用寺。宗派:天台宗。本尊:十一面観音。

法用寺の文化財
・ 金剛力士立像-平安中期、阿形:像高224p、吽形:216p-国指定重要文化財
・ 虎の尾桜-会津五桜、推定樹齢200年-会津美里町指定天然記念物
・ 木造得道上人坐像-鎌倉末期,寄木造,像高87.5p-福島県指定重要文化財
・ 木造十一面観音立像(2躯)-平安時代,桂材・欅材-福島県指定重要文化財
・ 法用寺本堂内厨子及仏壇-正和3年(1314),三間厨子-国指定重要文化財
・ 銅鐘-文明6年、総高104.53p,口径75.75p-福島県指定重要文化財
・ 十一面観音板木-応永4年,縦62.3p,横30p-福島県指定重要文化財
・ 法用寺三重塔-安永9年,3層宝形造,方三間-福島県指定重要文化財
・ 法用寺観音堂-明和5年頃,宝形造,方五間,銅板葺-福島県指定重要文化財
・ 御氷餅搗跡-会津美里町指定史跡

法用寺:上空画像

【 参考:サイト 】
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
【 参考:文献等 】
・ ふるさとの文化遺産-郷土資料辞典7[福島県]-株式会社人文社
・ 現地案内板-福島県教育委員会
・ 現地案内板-会津美里町教育委員会
・ 現地案内板-会津高田町教育委員会
・ 現地案内板-雀林蛇の御年始保存会
・ 現地案内板-法用寺桜保存会


法用寺:ストリートビュー

法用寺:観音堂・三重塔・写真

法用寺境内正面に設けられた石段と石造寺号標
[ 付近地図: 福島県大沼郡会津美里町 ]・[ 会津美里町:歴史・観光 ]
法用寺参道に設けられた歴史が感じられる山門 法用寺山門から見た境内の様子 法用寺観音堂を正面から見た写真 法用寺観音堂の向拝と正面外壁画像
法用寺観音堂(本堂)を左側面から眺めた写真 法用寺三重塔は会津地方唯一の層塔建築 法用寺三重塔から見た観音堂の様子 法用寺境内に設けられた子安地蔵堂
法用寺子安地蔵堂の前に置かれた山門 法用寺子安地蔵堂右斜めから撮影した画像 法用寺境内に時を告げる鐘楼と撞鐘 法用寺境内に春を告げる虎の尾桜

法用寺:歴史的建造物

観音堂観音堂
・法用寺観音堂は江戸時代中期の安永5年(1776)に造営された建物で、木造平屋建、宝形造、銅板葺、桁行6間、張間5間、正面1間向拝付き。内部には国指定重要文化財に指定されている鎌倉時代末期の正和3年(1314)に制作された「法用寺本堂内厨子および仏壇」や、平安時代に制作された金剛力士像(1対)、本尊で福島県指定文化財に指定されている十一面観音像(2躯)などが安置されています。
観音堂三重塔
・三重塔は江戸時代中期の安永9年(1780)に造営されたもので、三間三重塔婆、銅板葺、高さ約19m、内部には厨子が設置され釈迦三尊像が安置されています(扁額には文殊菩薩)。福島県指定文化財。
仁王門仁王門
・法用寺仁王門は寄棟、銅板葺、三間一戸、八脚単層門。かつては、左右に国指定重要文化財に指定されている金剛力士像が安置されていましたが、現在は観音堂の堂内に遷されています。又、正月行事で会津美里町指定重要無形民俗文化財に指定されている「大蛇の御年始」では稲藁で制作された大蛇が仁王門に奉納されます。
子安地蔵堂子安地蔵堂
・法用寺子安地蔵堂は日光の大悲閣から運んだとされ、木造平屋建て、宝形造、銅板葺き、桁行3間、張間3間、正面1間向拝付き、外壁左右には花頭窓付。隣の敷地は会津美里町指定史跡に指定されている「御氷餅搗阯」となっています。
鐘楼鐘楼
・法用寺鐘楼は入母屋、銅板葺き、外壁は柱のみの吹き放し。吊り下げられている銅鐘は室町時代の文明6年(1474)に鋳造されたもので、総高104.53cm、口径75.75cm、福島県指定文化財。
意加美神社意加美神社
・意加美神社は法用寺の鎮守社で宝亀年間(770〜780年)に創建されました。水神である「五龍王」が祭られ龍像権現と呼ばれていましたが、明治時代の神仏分離令を経て明治4年に現在の社号である意加美神社に改称しています。正月行事である「大蛇の御年始」で奉納される稲藁の大蛇は意加美神社の祭神「五龍王」に関係あるとされます。


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