大岩観音(仁王寺)概要: 大岩観音堂は福島県大沼郡会津美里町吉田地内に境内を構えている御堂で、内部に安置されてる聖観音菩薩(大岩観音)は奈良時代から平安時代前期にかけての法相宗の高僧と知られた徳一上人によって彫刻されたものと伝えられています。
大岩観音堂の創建は平安時代初期の大同2年(807)とされ、当初は大岩の上に境内を構えていましたが、寛永13年(1636)に大雪の為に堂宇が倒壊した為、寛文6年(1666)に現在に境内を遷したとも云われています。
当時は境内の隣地に大岩集落があり篤く信仰されてきましたが、現在は廃村となり境内も荒廃しました。さらに近年豪雪の為、観音堂が倒壊した為、小堂にで再建されています。境内を取り囲むように断崖絶壁の大岩があり、元々はこの大岩が素朴な自然崇拝の信仰の対象になったと思われます。
大岩の中腹には支配階層の墓碑と思われる数基の大型五輪塔や、参道や境内には複数の石碑、石仏が建立され信仰の篤さが窺えます。会津三十三観音霊場第27番札所(札所本尊:聖観音菩薩・御詠歌:山深み 池に流れの音添えて 浮世の夢を 洗う松風)。
大岩観音の別当寺院である臥竜山仁王寺福島県大沼郡会津美里町吉田村中甲に境内を構える天台宗の寺院で、大岩観音堂と同様に平安時代初期の大同2年(807)に徳一上人によって開かれたのが始まりと伝えられています。最盛期には境内に3千坊を擁する大寺院でしたが、その後衰退しています。
境内にある薬師堂は江戸時代中期の延享2年(1745)に造営されたもので、木造平屋建て、寄棟、鉄板葺き、平入、桁行3間、張間3間、正面1間向拝付き、内部には徳一上人が彫刻したと伝わる薬師如来像が安置されています。宗派:天台宗。本尊:大日如来。
大岩観音:上空画像
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