御宝殿熊野神社(いわき市)概要: 御宝殿熊野神社は福島県いわき市錦町御宝殿に鎮座している神社で、案内板によると「 大同2年(807年)紀州熊野の新宮より別当日下大膳が御分霊を当初は長子の地の奉斉し、その後、弘仁元年(810)現在の大島に勧請したと伝えられる。しかし霊験あらたかなるところから、菊田庄司が刀剣を鋳造して奉献され、爾来、御宝刀殿大権現として尊崇され、更に文禄5年4月23日、常陸城々主佐竹又七朗より、黒印220石を旧菊田郷の総鎮守として今尚敬神の念を篤くし多数の参拝者を迎えている。・・・(後略)」とあります。
江戸時代に入ると幕府から庇護され、慶安元年(1648)に三代将軍徳川家光から社領を安堵する朱印状が発布され、その後も歴代将軍が追認し現在でも9通の朱印状を所有しています。明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏式が排され明治34年(1901)に県社に列しています。
7月31日から8月1日の例祭に奉納される稚児田楽、風流獅子舞は古来からの姿をそのまま伝える貴重なものとして昭和50年(1975)に国重要無形民俗文化財に指定されています。
御宝殿熊野神社拝殿は木造平屋建て、入母屋、銅板葺き、平入、桁行3間、張間2間半、正面1間軒唐破風向拝付き、外壁は真壁造り板張り。本殿は春日造り(入母屋、妻入)、銅瓦棒葺き、一間社、外壁は真壁造り板張り。
境内にあるケヤキは推定樹齢300年以上、樹高34m、幹周6.5m、ケヤキの巨木として貴重なことから昭和43年(1968)、いわき市指定天然記念物に指定されています。祭神:伊弉册尊、豫母都事解之男命、速玉之男命。
御宝殿熊野神社:上空画像
【 参考:文献等 】
・ ふるさとの文化遺産-郷土資料辞典7[福島県]-株式会社人文社
・ 現地案内板(由来記)-御宝殿熊野神社
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