遍照院(いわき市)概要: 遍照院住吉山金剛寺は福島県いわき市小名浜住吉字搦町に境内を構えている高野山真言宗の寺院で、創建等は不詳ですが中世は磐城平家の菩提寺、玉川城(小名浜住吉舘)の城主岩城政氏(常道)の香華院だったとされ政氏の守護仏とされる地蔵尊や奥室守護観音像が安置されています。
境内背後の磨崖仏は「住吉磨崖仏」と呼ばれるもので全部で6ケ所龕で構成されています。特に第3号龕と第4号龕が貴重とされ第1号龕は新しくその他の龕は劣化が激しく意匠などが不詳となっています。
第3号龕には如来座像と思われる石仏が彫られ高さ144cmは住吉磨崖仏の中では最大で現在は朽ち果てようとしていますが、かつては三尊像で左右には脇侍像が彫り込まれていました(右側の脇侍は判定不能、左側は勢至菩薩像と推定されています)。
第4号龕には阿弥陀三尊像が彫り込まれており中心の阿弥陀座像は高さ116cm、脇侍は劣化が激しく判定は困難ですが勢至菩薩立像、観音菩薩立像と推定する人もいます。住吉磨崖仏は鎌倉時代に彫刻された磨崖仏の遺構として貴重な事から昭和61年(1986)、いわき市指定史跡に指定されています。
遍照院の寺宝である絹本著色両界曼荼羅は貴重な事から昭和62年(1987)、いわき市指定文化財(絵画)に指定されています。山門は入母屋、桟瓦葺、一間一戸、四脚楼門、上層部が吹き放しの鐘撞堂(鐘楼門)。総門は切妻、鉄板葺、一間一戸、四脚門。本堂は寄棟、桟瓦葺、平入、桁行8間、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ。宗派:高野山真言宗。
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遍照院:上空画像
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