如来寺(いわき市)概要: 松峯山眞戒院如来寺は福島県いわき市平山崎字矢ノ目に境内を構えてる浄土宗の寺院で、創建は鎌倉時代末期に大国魂神社の別当を担っていた山名行阿が鎌倉から巡錫で当地を訪れた真戒比立尼に帰依し一宇を設けたのが始まりとされます。
元亨2年(1322)に良山上人(浄土宗名越派3世)が当地に布教に来ると山名行阿が教化を受け、改めて浄土宗名越派の寺院として開山しています。専弥寺が開かれるまでは檀林が置かれ、浄土宗名越派の中心的な寺院として多くの人材を輩出した名刹でした。
その為、多くの寺宝を所持し、如来寺蔵典籍、十王図、浄蓮社良清上人画像が、いわき市指定有形文化財に指定され、現在はいわき市が所有している国重要文化財である銅造阿弥陀如来及び両脇侍像(嘉元2年:1304年彫刻、善光寺式阿弥陀三尊形式)、絹本著色阿弥陀三尊像(鎌倉時代後期、縦323.5cm、横166.8cm)も元々は如来寺が所有していたものです。江戸時代に入ると歴代将軍家が寺領20石が安堵され寺脈を保っています。
如来寺本堂は江戸時代中期の寛延4年(1751)に造営されたもので、木造平屋建て、寄棟、瓦葺き、平入、桁行8間、梁間6間、外壁は真壁造り白漆喰仕上げの建物で後年増築されたと思われる唐破風の向拝が付いています。正面に配された山門は朱色に塗られた入母屋、瓦葺き、三間一戸、八脚楼門(上層部が鐘撞堂である鐘楼門)があり如来寺を印象付ける存在となっています。
磐城三十三観音霊場第29番札所(札所本尊:聖観世音菩薩・千手観世音菩薩・御詠歌:小寺山 岸打つ波は うす磯の 岩間に響く 松風の音)山号:松峯山。院号:眞戒院。宗派:浄土宗。本尊:阿弥陀如来。
如来寺の文化財
・ 如来寺蔵典籍(141冊)−中世期の写本群−いわき市指定文化財
・ 浄蓮社良清上人画像-江戸前期-縦129.6p,横44.6p-いわき市指定文化財
・ 十王図(9幅)-江戸初期-縦129.6p,横44.6p-いわき市指定文化財
如来寺:上空画像
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