長遠寺(鮫川村)概要: 長遠寺は福島県東白川郡鮫川村赤坂中野道少田に境内を構えている曹洞宗の寺院です。長遠寺の創建は室町時代後期の天文元年(1532)又は天文8年(1539)に赤坂尾張守藤原常久が開基となり大安寺(福島県石川郡玉川村大字南須釜字古宿)の法弟胎庵(台庵)を招いて開山したのが始まりとされます。
赤坂氏の歴代の菩提寺として庇護され慶長7年(1602)に当地を離れるまで一族は境内に葬られました。赤坂氏は石川氏、又は石川氏一族蒲田氏の庶流とされ、中世以降、赤坂館を本拠として長く当地を支配し、当初は石川氏、室町時代中期頃に白河結城氏、戦国時代に常陸(現在の茨城県)の佐竹氏に従いました。
佐竹氏は慶長5年(1600)の関ヶ原の戦いで東西中立の立場を採った為、慶長7年(1602)に秋田移封となり赤坂氏も随行、長遠寺は庇護者を失いました。
現在の長遠寺本堂の建物は江戸時代後期の天保6年(1835)の焼失後の嘉永2年(1849)に再建されたもので、桁行き7間、入母屋、瓦葺き、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ、正面には向拝が付いていません。
庫裏に続く長屋門は火災の前から建てられたもので入母屋、金属板葺きです。境内にあるシダレザクラは天明の大飢饉(1782〜1787年)の際、餓死した多くの御霊を供養する為に植えたと伝えられる古木で推定樹齢200年以上、樹高19m。宗派は曹洞宗。
長遠寺:上空画像
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