東屋国神社(飯坂温泉・福島市)概要: 東屋国神社は福島県福島市飯坂町中野天沼に鎮座している神社です。東屋国神社の創建は不詳ですが延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に記載された式内社と比定されている古社です。社号から吾妻山とも関係が深そうで、当初の鎮座地は吾妻山の山中に境内を構えていたとされ、鳥居前には雷神の石碑も見えます。
一説には吾妻山の山頂付近にある湖沼を水源神として祭ったのが東屋沼神でその国津神が東屋国神とする説があり古くから下流域の農民達から篤く信仰されていたようです。
一時信仰が薄れ、存在すら不詳になりましたが月崎に鎮座する築崎神社が式内社東屋国神社に比定され、江戸時代後期の文化年間(1804〜1818年)に佐藤某が現在地に遷座し東屋国神社に社号を改めています(月崎は川の氾濫が多い為に現在地に遷座したとも云われています)。
何故、築崎神社=東屋国神社なのかは不詳ですが、月崎の地は当地方では比較的早くから集落が形成され、平安時代に創建された「菩提寺」(湯野西原廃寺跡:福島県指定史跡)にも近く、築崎神社はそれに関係した格式の高いだったと神社と推定されています。明治時代初頭に発令された神仏分離令を経て明治5年(1872)に村社に列しています。
東屋国神社拝殿は木造平屋建て、切妻、鉄板葺、平入、桁行6間、梁間2間、外壁は真壁造り板張り、正面の境内が広いせいか簡素な印象を受け、背後の一段高所に一間社流造、鉄板葺の本殿が鎮座しています。祭神は日本武尊。
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