大仏城跡出土宝塔(福島市)概要: この宝塔(凝灰石製、台石幅61cm、奥行59cm、高さ46cm、塔身最大径53cm)は明治初期に西庁舎近くにあった福島城の土塁にあったものを移動してきたもので、鎌倉時代の弘安6年(1283)の年号が刻まれていた事から福島城の前身である大佛城の遺構として大変貴重な存在となっています。宝塔とは円筒形の塔身をもち梵字(阿弥陀如来)や「弘安六年癸未四月廿日 孝子□□」などを刻み込み墓碑として建てられたもので、大佛城が杉妻寺を城塞化したものだという事を示しています。宝塔で建立年代が明確なものとしては平泉願成就院の宝塔(藤原時代作)に次ぐ貴重なものとして昭和56年(1981)に福島県指定重要文化財(考古資料)に指定されています。宝塔に隣接する板碑は大正13年(1924)、松齢橋工事中に川底から発見されたもので鎌倉時代に製作されたものと推定されています。位置関係から宝塔と同様に杉妻寺の遺構と考えらています。
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