常光寺(福島市)概要: 鷹峰山常光寺は福島県福島市清明町9丁目に境内を構えている曹洞宗の寺院です。常光寺の創建は永正3年(1506)に劫外長現大和尚が開山したと伝えられています。当初は大森(大森城山=鷹峰山)にあり天正18年(1590)には豊臣秀次が九戸の乱(奥州仕置きの不満から南部氏の一族である九戸氏の反乱)の戦勝の宴を開くなど歴史的にも興味深いものがあります。
文禄元年(1592)、大森城の城主だった木村吉清(鶴ヶ城の城主蒲生氏郷の与力大名)が本城を福島城に遷し城下町が町割りされると文禄2年(1593)に現在地に移り、寛永15年(1638)に定光寺と合併した事で寺号を「長安寺」から「常光寺」に改めています。
元禄15年(1702)に板倉重寛が福島藩に入封すると、藩主板倉家の菩提寺に指定された事で篤い庇護を受け、福島四カ寺に数えられるなど大きな影響力を持つようになりました。
戊辰戦争の際、福島藩は奥羽越列藩同盟に参加した事で新政府軍と対立、二本松城が落城すると降伏し福島城を開城、11代藩主板倉勝己は常光寺で謹慎し裁きを受けています。明治6年(1873)には福島仮県庁舎が置かれ、明治10年(1877)には模擬県会が行なわれました。
常光寺山門は入母屋、瓦葺き、三間一戸、桁行3間、張間2間、八脚楼門形式、外壁は下層部は真壁造り白漆喰仕上げ、上層部は板張り、「鷹峰山」の山号額、高欄付き、福島市内の寺院建築の中で異彩を放っています。
常光寺本堂は木造平屋建て、入母屋、銅板葺、平入、正面には千鳥破風、唐破風向拝が設えられ、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ、本堂内部には歴代藩主板倉家の位牌が安置されています。常光寺鐘楼は宝形屋根、桟瓦葺き、袴腰付(下見板張り)、上層部高欄付き。
信夫三十三観音霊場第1番札所(札所本尊:楊柳観世音菩薩・御詠歌:鷹の峰 常の光は 観世音 導きたまえ 花の浄土へ)。山号:鷹峰山。本尊:福満虚空蔵菩薩。宗派は曹洞宗。
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常光寺:上空画像
【 参考:文献等 】
・ ふるさとの文化遺産-郷土資料辞典7[福島県]-株式会社人文社
・ 現地案内板-福島の城下まちづくり協議会
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