磐梯山(歴史)概要: 磐梯山は標高1819m輝石安山岩の成層火山で、数十万年前から火山活動があったとされ大きく磐梯山、櫛ヶ峰(1636)、赤埴山(1430m)から構成されています。山容や時折見せる火山活動から古くから信仰の対象となり、山麓には磐梯山山岳信仰の拠点で会津仏教に大きな影響を及ぼした慧日寺(恵日寺)や延喜式神名帳に名を連ね磐梯山を祭神とした磐椅神社が鎮座しています。慧日寺は大同2年(807)に名僧徳一大師によって開山された寺院ですが磐梯山の噴火が大同元年(806)に起きたことからも興味深いところです。又、弘法大師空海と磐梯山に巣くう「手長」、「足長」との遣り取りなど伝説や民話も数多く、信仰の対象になると同時に生活と密接だった事が窺えます。
明治21年(1888)7月15日の噴火時には477人の死者を出し、山崩れから北麓の集落が埋没、多くの川が堰き止められた結果、五色沼や桧原湖など多くの湖沼が形成されました。磐椅神社の磐椅と磐梯は同義語とされ古くは「いわはしやま」と称し「天に掛かる岩の梯子」を意味していた事もあり関係の深さが窺えます。現在は磐梯山は磐梯朝日国立公園に属する観光地として整備され日本地質百選や日本百名山にも名を連ねています。
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