厳島神社(伊達市)概要: 厳島神社は福島県伊達市保原町弥生町に鎮座している神社で創建など詳細は不明ですが、伝承によると鎌倉時代に当地の領主となった伊達氏が居城となる梁川城を築城、その出城となった現在の野崎観音堂の境内に鎮守社として勧請されたと伝えられています(野崎観音堂は野崎観音塚古墳と呼ばれる古墳の上にある為、出城には相応しい場所だったと思われます)。
祭神は田岐理姫、市杵島姫命佐依姫、田岐津姫の三柱で通称弁天様と称され、中村郷の産土神として周囲から信仰の対象となりました。明治時代初頭に発令された神仏分離令により野崎観音堂とは分離し明治26年(1893)に現在地に遷座しました。
例祭である「つつこ引き祭」は300年続くと云われる豊作祈願祭りで、近隣から集まった厄年の若者が800キロを越える「大つつこ」を引き合う奇祭として昭和31年(1956)に福島県10大祭に選定されています。
伝承によると江戸時代中期の享保年間(1716〜1735年)、当地方に大飢饉が起こった為、梁川藩(藩庁:梁川城)4代藩主松平通春が野崎観音堂(厳島神社)の境内に領民を集めて種籾を与えました。翌年、その種籾を植えると大豊作になった事から通春に感謝し豊作祭を行なったのが「つつこ引き祭」の始まりと伝えられています。
厳島神社の拝殿は木造平屋建て、切妻、桟瓦葺、平入、桁行6間、梁間3間、正面1間向拝付き。本殿は一間社神明造、銅板葺。
巌島神社:上空画像
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