古四王神社(喜多方市)概要: 古四王神社は琴平山中腹(福島県喜多方市慶徳町松舞家)に鎮座している神社で、創建はよく分かりませんでしたが本尊だった思われる神像は平安時代末期の作と推定される多聞天(両腕欠損)である事からかなりの古社だと思われます。
伝承によると推古天皇の御代(593〜628年)、聖徳太子が東夷東征の際、戦勝祈願の為、喜多方と秋田県秋田市、新潟県新発田市五十公野にそれぞれ大毘古命の分霊を勧請したのが始まりとされます(ゆえに日本三社と云われているそうです)。古くから神仏習合し別当寺院には四天王の木像が本尊として祀られていたとされ、それが転じて社号になったとも云われています。
古四王神社は主に秋田県や新潟県など日本海側に分布する神社で四道将軍の1人と云われた大比古命(こし王)が祀られている例が多く(北陸地方の王=越国の王=越王=古四王)、会津地方と日本海側との文化的繋がりを示す好例と言えます。
社殿は三間四面の宝形造、鉄板葺きの建物で北側を正面にするなど宗教色が見られ、一般的な神社の社殿で宝形造は余り見られない為、神仏習合時代に建てられた御堂を社殿に転じたものと考えられます。
社宝である絵馬(富士見西行図)は正徳元年(1711)に奉納されたもので杉材、縦25.5cm、横38cm、当地方の代表的な絵馬として貴重なことから平成18年(2006)に喜多方市指定有形民俗文化財に指定されています。祭神は大毘古命、武渟名川別命(往時の祭神は市千魂命とも)。
古四王神社:上空画像
【 参考:文献等 】
・ ふるさとの文化遺産-郷土資料辞典7[福島県]-株式会社人文社
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