湯岐八幡宮(塙町)概要: 湯岐八幡宮は福島県東白川郡塙町大字湯岐字湯岐に鎮座している神社です。湯岐八幡宮の創建は室町時代末期の天文8年(1538)に湯岐温泉の湯別当だった大森和泉守が温泉の守護神として勧請したのが始まりとされ、現在も子孫(和泉屋旅館)が神社を守っているそうです。
湯岐温泉は天文3年(1534)に大森和泉守が鹿が湯浴びをし傷を癒してるのを発見した事が始まりとされ(この故事から「鹿の湯」と呼ばれ屋号「和泉屋」が掲げられました)、嘉永6年(1853)には水戸藩の水戸学藤田派の学者である藤田東湖が3週間にわたり湯治を行い病を癒しています。
又、幕末には肥前唐津藩の老中小笠原長行が藩が新政府軍に与する中、僅かな家臣を連れ立って旧幕府軍に加わり、約2週間、湯岐温泉の「和泉屋(現在の和泉屋旅館)」に密かに潜伏しています。現在の社殿は文化5年(1808)に建立されたもので、軒札から多くの人材が関わった事がわかります。
社殿は小規模ですが入母屋、鉄板葺(元こけら葺)、桁行1.3m、梁間1.31m、正面に1間の唐破風状の向拝を施した豪勢な造りで、木組みや木鼻の彫刻や懸魚などかなり細かく造り込んでいます。彩色も豊かで、ペンキ塗りのようですが当時の雰囲気を感じます。
正面には簡易ですが神社山門(神門)にあたる長床もあり格式を感じます(神門は切妻、桟瓦葺、三間一戸、八脚単層門)。特に文化財していないようですが貴重な存在だと思います。棟梁は上村、中村、車村、前田村、片員村、福田村、仁井田村の大工が携わっています。祭神は誉田別命。
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