霊山寺(伊達市)概要: 南岳山霊山寺は福島県伊達市霊山町大石字倉波に境内を構えている天台宗の寺院です。霊山寺の創建は平安時代初期の貞観元年(859)に慈覚大師円仁が霊山山頂に千手観音を本尊とした開山したのが始まりとされています。
古くは天台宗の東北地方の中心として隆盛を極め北の比叡山とも言われていました。南北朝時代には南朝方の北畠顕家が寺院を取り囲むように砦を築き国府を多賀城(宮城県多賀城市)から移した事で戦乱に巻き込まれ、顕家が討死にすると、北朝方の足利尊氏に攻め込まれ堂宇のほとんどが焼失しています。
その後、応永8年(1401)に伊達氏宗が大石村宮脇に再興し、天文元年(1532)には伊達稙宗が大石村など7ヵ村を寺領として寄進し、僧房も12坊まで増加しましたが、慶長7年(1602)火災によって焼失した事から現在地に境内を遷し阿弥陀堂を移しました。
霊山寺本堂は明治30年(1897)に旧本堂の部材を随所に再利用し再建されたもので、木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、平入、桁行8間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ。山門は切妻、銅板葺き、一間一戸、四脚門。
本尊の阿弥陀三尊をはじめ秘仏である阿弥陀薬師如来(慈覚大師作伝)、聖観音像、不動三尊、千手観音など寺宝も多くあります。古くは神仏習合し鎮守社として日枝神社(比叡山延暦寺の守護神の日吉大社の分霊が勧請されたものと思われます)が鎮座していましたが、明治時代初頭に発令された神仏分離令により神式が排され御神体が山王本地堂に遷されてます。
信達三十三観音霊場第29番札所(札所本尊:千手観世音菩薩・御詠歌:頼もしき 誓いありとや 霊山寺 枯るる草木も 花さきにけり)。山号:南岳山。院号:山王院。宗派:天台宗。本尊:阿弥陀如来。
霊山寺:上空画像
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板(由来)-南岳山霊山寺
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