蓮家寺(棚倉町)概要: 大泉山蓮家寺は福島県東白川郡棚倉町棚倉新町に境内を構えている浄土宗の寺院です。蓮家寺の創建は江戸時代初期の慶長8年(1603)に蓮池主水と糟家弥兵衛(代官:彦坂小刑部の家臣)が堂宇を建立し秀哲上人を招き開山した事が始まりとされ、両名の名前から「蓮」、「家」の一字づつとり寺号としたと伝えられています。当時の棚倉藩主(棚倉城主)内藤家の菩提寺となり慶安元年(1648)には時の将軍徳川家光から御朱印状を拝受されています。藩主菩提寺として庇護され領内の中心的寺院として寺運も隆盛しましたが、江戸時代後期になると衰微しています(江戸時代中期以降は朱印地もなくなり明治時代初期には火災により多くの堂宇が焼失)。
蓮家寺鐘楼は江戸時代初期に建てられたもので入母屋、桟瓦葺、一間一戸、外壁は4隅柱のみの吹き放し、梵鐘は江戸時代に寄進されたもので、案内板によると「蓮家寺の銅鐘は、正保4年(1647)、蓮家寺4世住職の尊譽上人の時に、藩主の内藤豊前守信照公が寄進した銅鐘です。毎日、巳の刻(午前11時)に響く鐘の音は、常念仏の勤行が終わった事を知らせるためでしたが、城下の人々には昼食を告げる鐘でもありました。昭和18年に国の重要美術品に認定され、鐘楼も建立当時のままで、貴重な江戸時代初期の建造物です。 棚倉町教育委員会」とあります。
蓮家寺山門は安永4年(1775)に建てられたもので、入母屋、金属板葺き、三間三戸、桁行3間、張間2間、八脚二重楼門、上層部には高欄を配し、花頭窓を設え、「大泉山」の山号額が掲げられています。蓮家寺山門は江戸時代中期に建てられた楼門建築の遺構として貴重なことから昭和55年(1980)、棚倉町指定有形文化財に指定されています。
境内にある大ケヤキは推定樹齢300年以上、樹高32m、幹周7.6m、福島県指定緑の文化財に指定されています。境内には内藤家の墓や旧松平周防守家中の墓碑、芭蕉句碑(雲雀より上にやすろ(ら)ふ峠かな)などが建立されています。山号:大泉山。院号:寶池院。宗派:浄土宗。本尊:阿弥陀如来三尊仏立像。
蓮家寺:上空画像
【 参考:文献等 】
・ ふるさとの文化遺産-郷土資料辞典7[福島県]-株式会社人文社
・ 現地案内板-棚倉県教育委員会
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