山本不動尊(棚倉町)概要: 山本不動尊(石堂山徳善院明王蜜寺)は福島県東白川郡棚倉町北山本小檜沢に境内を構えている真言宗智山派の寺院です。山本不動尊の創建は平安時代初期の大同2年(807)、弘法大師空海(真言宗の開祖)が当地に巡錫で訪れた際、鬼瓶山(標高701m)に巣くう悪鬼を鎮める為、当地に護摩壇を築いたのが始まりとされます。以来、山岳信仰の拠点として繁栄し江戸時代は歴代棚倉藩(藩庁:棚倉城)主の祈願寺として帰依されました。
特に松平康爵の信仰は篤く嘉永2年(1849)には石灯籠一対と、自ら書した「不動尊」の扁額、元治元年(1864)には護摩仏具を奉納しています。松平康英は自ら修験僧の姿で参拝祈願を行い見事2万石が加増され川越藩移封が決まった事から開運の不動尊と呼ばれるようなったそうです。
山本不動尊は案内板によると「平城天皇大同2年弘法大師此の霊窟を御開創護持佛不動尊像を安置す。時の供僧道隔阿闇梨此の地に草庵を結び供養修法に専念すと伝う。以来今日まで法灯実に1170余年、霊威赫々として光輝を放つ。往昔悪鬼調伏せる霊験により魔除、厄除の信仰厚く又棚倉城主松平周防守源朝臣康爵殿の開運出世祈願の成就により、世に開運の不動尊とも云われ、老若男女の参詣絶ゆることなし。現在の御護摩殿は昭和50年落成、眼下に流れる幽邃なる渓谷、数百年閲する杉、松、林立し其の間に巨大なる霊窟を拝する様は将に天下の霊場に恥ずることなし。現在真言宗智山派に属し、俗に山本不動尊と呼ばれ、祈願念誦の声は渓谷にこだまし、護摩祈願の法煙盡くることなし。」とあります。
山本不動尊の境内は樹齢100年を越える杉並木や宮川渓流の清流など風致に富、「奥久慈県立自然公園」に指定されています。護摩堂は木造平屋建て、入母屋、銅板葺き、平入、桁行6間、正面1間向拝付き、桁行6間、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ、花頭窓付。不動堂は一間社流造、正面1間唐破風向拝付き。
東北三十六不動霊場第35番札所(札所本尊:不動明王・御詠歌:そびい立 梵天岩の 寺に来て 石戸を開く 不動明王)。福島八十八ヶ所霊場第19番札所。宗派:真言宗智山派。山号:石堂山。院号:徳善院。寺号:明王蜜寺。本尊:阿弥陀如来。
山本不動尊:上空画像
【 参考:サイト 】
・ 公式ホームページ
【 参考:文献等 】
・ ふるさとの文化遺産-郷土資料辞典7[福島県]-株式会社人文社
・ 現地案内板(略縁起)-山本不動尊(石堂山徳善院明王蜜寺)
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