南泉寺(南会津町)概要: 松見山南泉寺は福島県南会津郡南会津町静川西ノ沢口乙に境内を構えている浄土真宗高田派の寺院です。南泉寺の創建は平安時代後期の嘉承2年(1107)に村人が聖徳太子を寺沢山に勧請したのが始まりとされ、鎌倉時代の寛喜3年(1231)に善達坊(星佐藤左衛門)により寺院として開かれたとも云われています。
その後、聖徳太子を本尊とする太子守宗の寺院として室町時代後期の天文5年(1536)に道善和尚が現在地に境内を遷して中興し、江戸時代初期の明暦元年(1655)に浄土真宗高田派の寺院として改宗開山し専修寺の末寺となっています。
南泉寺山門は寛政6年(1794)に建立された鐘楼門で、入母屋、茅葺、一間一戸、四脚楼門、内側に袖壁、上層部には花頭窓、正面中央には「松見山」の山号額、素朴ながら軒も深く赴きのある意匠となっています。
山門と梵鐘(太平洋戦争時供出、昭和55年:1980年、再鋳)の建立にあたっては南山御蔵入領内全域から寄附を募ったとされ信仰の広がりも見る事が出来ます。南泉寺山門は江戸時代後期の楼門建築の遺構として貴重な事から平成15年(2003)に福島県指定重要文化財に指定されています。
南泉寺本堂は木造平屋建て、寄棟、銅板葺、平入、桁行8間、正面1間向拝付、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ、内部の内陣には本尊である阿弥陀如来像に安置されています。
シダレザクラは南泉寺の住職だった慶優上人が安照寺から桜の苗を頂、供だった平七翁が当地に持ち帰り植樹したもので、現在は「平七桜」として桜の名所となっています。境内にはその他にも推定樹齢約500年の五葉松などあり古寺の雰囲気が感じられます。
元禄11年(1698)に周辺住民が制定した御蔵入三十三観音霊場の第十九番札所(札所本尊:聖観音座像・御詠歌:西東 巡りて来たる南泉寺 大悲の光 四季にたえなく)にもなっています。山号:松見山。宗派:浄土真宗高田派。本尊:阿弥陀如来。
南泉寺の文化財
・ 鐘楼門−寛政6年、入母屋、茅葺−福島県指定文化財
・ 吉利支丹改申帳(1冊)−福島県指定文化財
・ 明暦の過去帳(1冊)−南会津町指定有形民俗文化財
・ 寛文の旦那帳(1冊)−南会津町指定有形民俗文化財
南泉寺:上空画像
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-福島県教育委員会・田島町教育委員会
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