子安観音堂(大内宿):概要 子安観音堂(福島県南会津郡下郷町)は大内宿の会津若松側の突き当たりの高台に位置しています。子安観音堂の創建年等は判りませんが、やや下がった所に境内を構える正法寺が管理する御堂だったとされ、正法寺の創建年は天正3年(1575)なので、この年以降に設けられたと思われます。
本尊である観音菩薩が子授りや安産、子育てに御利益があるとして信仰の対象となり子安観音と呼ばれるようになったとされます。現在の本尊は延享3年(1746年)正法寺の住職によって勧請され安置されたもので、木彫、金色の座像で、柔和な顔つき、子供を抱いた姿が特徴的です。
往時は子安宮と呼ばれていた事から神仏習合していたと思われますが、明治時代の神仏分離令により仏教色の強い御堂となっています。本尊の観音像は基本的に秘仏ですが、毎年5月中頃に例祭が行われ、年に一度の御開帳が行われます。
古くから女性や子供の守護神として祭られてきた事から現在も大内宿の女性達から管理され、例祭の際には参拝者に御神酒や赤飯が振舞われ、当時は女性達の唯一の休日として朝から酒を飲んでいても許されたそうです。子安観音堂の建物は寄棟、茅葺、平入、桁行3間、梁間3間、正面1間向拝付、外壁は素木板張り、向拝木鼻には獏と獅子の彫刻が施されています。
子安観音堂(大内宿)・写真
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