中ノ明観音(密蔵院)概要: 妙吉山密蔵院は福島県会津若松市町北町大字始中ノ明に境内を構えている真言宗の寺院です。中ノ明観音堂の創建は天文元年(1532)、中ノ明北方屋敷の大沼の水底から一寸八分の正観音尊像が出現し、三間四面の御堂を造営したのが始まりとされます。
慶長8年(1603)に集落内に疫病が蔓延した為、正観音尊像に祈祷を行うと、その化身が出現し、「私を元の沼に戻すか、可燃寺院に堂宇を建立し安置するか、何れかを選ばなければ祟りは続くだろう。」と告げました。村人達は話し合いの結果、当村に境内を構えている密蔵院に祭るのが相応しいとなり、当時の住職である宥栄も快く受け入れた為、現在位置に観音堂が造営される事になりました。
中ノ明観音堂は木造平屋建て、寄棟、銅板葺き、平入、桁行3間、張間3間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造り板張り、向拝には象、獅子、波を模った彫刻が施され、内部には札所本尊となる像高三尺五寸の正観音世音菩薩立像が安置されています。仁王門は入母屋、桟瓦葺き、三間一戸、八脚単層門、左右には朱色に着色された仁王像が安置され、中央には大型の草鞋が掲げられています。
密蔵院本堂は木造平屋建て、寄棟、桟瓦葺き、平入、桁行3間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造白漆喰仕上げ。会津三十三観音霊場第17番札所(札所本尊:聖観音菩薩・御詠歌:参るより頼みをかけし観世音 沼木の沼に浮ぶ水鳥)。山号:妙吉山。宗派:真言宗。
中ノ明観音:上空画像
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板(会津十七番聖観世音菩薩之由来)
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