長松院(須賀川市)概要: 萬年山長松院は福島県須賀川市諏訪町に境内を構えている曹洞宗の寺院です。長松院の創建は室町時代の文明年間(1469〜1487年)に当時岩崎郡一帯を支配していた須賀川城主二階堂山城守行詮の室が開基となり麟山禅師を招いて開山したのが始まりとされます。
院号は開基者である行詮の室の戒名「長松院殿鶴窓昌寿大姉」に因むもので、二階堂家縁の寺院として篤く庇護されたと思われます。天正17年(1589)に伊達政宗に攻められ須賀川城は落城、二階堂氏は没落し佐竹氏を頼り常陸国(現在の茨城県)に逃れた為、長松院は庇護者を失います。
長禄寺の末寺で当初は牛袋村に開かれましたが江戸時代初期の慶長18年(1613)に現地へ移ってきています。境内には松尾芭蕉と縁が深かった相楽等窮の墓や相楽等躬句碑「あの辺は つく羽山哉 炭けふり」があり、旧須賀川城へ移ってきた為、土塁や空掘の城跡の遺構も見ることが出来ます。
山門は切妻、桟瓦葺き、一間一戸、四脚門。本堂は木造平屋建て、寄棟、銅板葺き、平入、桁行6間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ。例祭である初寅毘沙門天祭では近隣遠方から多くの信仰者が集まってきて毎年3万人を越えるそうです。山号:萬年山。宗派:曹洞宗。本尊:阿弥陀如来。
長松院:上空画像
【 参考:文献等 】
・ ふるさとの文化遺産-郷土資料辞典7[福島県]-株式会社人文社
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