長命寺(相馬市)概要: 赤城山観音院長命寺は福島県相馬市岩子字大迫に境内を構えている真言宗豊山派の寺院です。長命寺の創建は不詳ですが、下総国(千葉県)に境内を構えていたとされます。領主である相馬家の祈願寺として関係が深かった事から元享3年(1322)に相馬重胤が下総国から、行方郡太田、小高城(福島県南相馬市小高)、中村城(福島県相馬市中村)と本拠を変える毎に常に随行しています。
当初は相馬家が崇敬していた妙見宮(小高神社・相馬太田神社・相馬中村神社)の別当となっていましたが、相馬昌胤が涼ヶ岡八幡宮を元禄8年(1695)造営すると八幡宮の別当となり、京都醍醐三宝院からは放生山長命院八幡寺の寺号を授かり三宝院の末寺となっています。
その後も中村藩の真言宗の三箇寺の1つとして寺隆を広げ、明治5年(1872)に現在地に移り現在にいたっています。
長命寺境内にある山門は、明治時代に入り中村城が廃城になった際、城門の1つが払い下げとなり移築された建物で、楼門形式、上部は鐘撞堂を兼ねた一間一戸、高さ約15m、四脚鐘楼門で屋根は入母屋の銅板葺き上層部に高欄が廻っています。長命寺山門は数少ない中村城の遺構で楼門建築である事から昭和60年(1985)に相馬市指定有形文化財に指定されています。
又、本堂前にある大ツツジは推定樹齢300年で1株でここまで大きくなるのは珍しく昭和56年(1981)に相馬市指定天然記念物となっています。奥相三十三観音霊場第七番札所、御詠歌:さまざまの 色香に匂う 法の花 こころこころの かざしとぞ聞く。山号:赤城山。院号:観音院。寺号:長命寺。宗派:真言宗豊山派。本尊:十一面観音菩薩。
長命寺:上空画像
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