田村大元神社

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概要・歴史・観光・見所

田村大元神社(三春町)概要: 田村大元神社は福島県田村郡三春町字山中に鎮座している神社です。案内板によると「永正元(1504)年、田村義顕の三春移城の伴い、守山の領内総鎮守大元師明王を三春城東館下に移した。明王堂は明治四(1871)年、廃仏毀釈によってとりこわされ、明治33年、文化八(1811)年再建時の部材を用いて本殿を建立した。表門は慶応三(1867)年の建造で、金剛力士像とともに町有形文化財に指定されている。境内末社八幡熊野両社は、寛文十(1670)年消失後再建されてたもので、町有形文化財に指定されている。 三春町教育委員会」とあります。

田村大元神社の創建は延暦年間(782〜806年)とされ、田村氏の祖と言われる坂上田村麻呂が東夷東征の際、戦勝祈願に立ち寄り明王を奉祭した事が始まりとされます。田村氏の崇敬社とし庇護され、当初は本拠地だった守山(現在の郡山市田村町:田村神社)に鎮座していましたが永正元年(1504)に三春の地に移封となり現在地に分霊が勧請されたと思われます。

田村清顕が当主の時代に田村家の最盛期を迎え、死去する直前に自ら書した大般若経600巻を奉納しています。清顕が死去すると相続を巡り混乱となり田村氏は大名家からは没落しています。

その後、伊達家の家臣として当地を離れましたが(伊達家から養子を迎え家名としては存続し一関藩3万石の大名格になったものの、一族や家臣の多くは伊達家に対して恨みを持つものが多く、伊達家には帰属しませんでした)、江戸時代に入ると三春藩主になった秋田氏も田村大元神社(大元帥明王社)を庇護し秋田氏の祈願所、三春藩領内総鎮守として社殿の造営や奉納物の寄進など行っています。

田村大元神社は古くから神仏習合し大元帥明王などと称し別当寺院として真照寺が祭祀を司っていましたが明治時代初頭に発令された神仏分離令により形式上は仏式を廃し、祭神として国常立命が勧請され社号を「大志田山神社」に改め郷社に列しています(後に田村大元神社に改称)。

田村大元神社の境内には古建築物が多く、特に神社山門(神門)は慶応3年(1867)に仁王門として建てられたもので、入母屋、銅板葺、三間一戸、桁行3間、張間2間、八脚単層門、細部には龍や獅子などの精緻な彫刻が施され当時の三春藩の技術の高さが窺えます。

現在でも内部には2体の金剛力士像(伊東光運作)が神域を守り神仏混合の名残が見られます(神仏分離令後に一端、別当寺院だった真照寺に移され、廃仏毀釈運動が鎮まった後に戻された)。

田村大元神社本殿は明治中期の明治33年(1900)に建てられたもので、一間社流造、銅板葺、当時の神社建築をよく表している構造で複雑な木組みや彫刻など凝った造りとなっています。拝殿は本殿と同時期に建てられたもので木造平屋建て、入母屋、銅板葺、平入、桁行6間、梁間2間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造板張り。

田村大元神社の境内社である八幡神社の本殿は寛文10年(1670)の火災で焼失後に再建されたもので、一間社流造、銅板葺き。同じく熊野神社の本殿は一間社春日造、銅板葺き、両建物とも江戸時代中期の神社本殿建築の遺構として貴重な事から三春町指定文化財に指定されています。

又、田村大元神社社宝である神鏡銅製松喰鶴鏡(永仁3年:1295年に奉納)は国の重要美術品に指定されてます。例祭で奉納される三匹獅子舞と長獅子舞は古式を伝える行事として貴重な事から三春町指定無形民俗文化財に指定されています。祭神:国常立命。

田村大元神社:上空画像

八脚門を簡単に説明した動画

【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-三春町教育委員会


田村大元神社:ストリートビュー

田村大元神社:本殿・表門・写真

田村大元神社参道石段から見上げた表門(仁王門)
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田村大元神社参道に設けられた石鳥居とのぼり旗 田村大元神社表門に施された彫刻と安置されている仁王像 田村大元神社表門(仁王門)から見た境内の様子 田村大元神社参道石畳みから見た拝殿正面
田村大元神社拝殿向拝に施された彫刻と社号額 田村大元神社本殿と幣殿、それを取り囲む透塀 田村大元神社本殿に施された彫刻と技術の高い木組 田村大元神社例祭で神楽が奉納される神楽殿


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