湯泉神社(磐梯熱海温泉・郡山市)概要: 湯泉神社は福島県郡山市熱海町熱海4丁目に鎮座している神社です。湯泉神社の創建等は不詳ですが、鎌倉時代初期、幕府の御家人伊東祐長が当地の地頭となり出身地である伊豆から温泉神の分霊を勧請したのが始まりとされます。伊東家の旧領には伊東温泉や熱海温泉などの一大温泉地があり磐梯熱海温泉も、旧領に熱海温泉を由来しています。
勧請された温泉神の詳細は不詳ですが、伊東家の崇敬社に葛見神社(静岡県伊東市)の主祭神が医薬、温泉神とされる大己貴命や少彦名命との説があります(諸説あり事代主命や伊東家の氏神)。又、熱海温泉の守護神として湯前神社(静岡県熱海市)が鎮座し少彦名命が主祭神として祀られています。何れも延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に記載された「久豆弥神社」の論社で、どちらかの祭神の分霊が勧請されたのかも知れません。
当初は神仏習合して湯泉権現と称していましたが明治時代初頭に発令された神仏分離令後に、湯泉神社に改称しています(境内には石碑や石仏などが数多くあり神仏習合時代の名残が見られます)。
境内にある温泉碑は元文3年(1738)、当時の代官職を務めた吉田弥右エ門守が河原から石を運び込み温泉場を整備した事を顕彰して文政2年(1819)に二本松藩(藩庁:二本松城)城代成田頼直が建立したもので磐梯熱海温泉の歴史を知る上で貴重なものとされています。
毎年8月の例祭(萩姫まつり)では萩姫が浦安の舞を奉納しています。拝殿は木造平屋建て、入母屋、銅板葺、平入、桁行4間、梁間2間、正面1間向拝付、外壁は真壁造り板張り。本殿は覆い屋内部の為不詳。
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